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評価


シナリオ  :☆☆☆☆☆
キャラ   :☆☆☆☆☆
サブキャラ :☆☆☆☆☆
テキスト  :☆☆☆☆☆
グラフィック:☆☆☆☆
システム  :☆☆☆
音楽    :☆☆☆☆
エロ    :☆☆☆☆

シナリオやテキストなど、ボクのような凡人では、指摘する所が見当たらないくらいのレベルでした。ゲームシステムは、他の作品によくある、選択肢によってルートの変動が起きるものだったので、”いい意味での普通”ということで評価させていただきました。音楽については、突出してすごいと思わせるものはなかったが、それでもクオリティは申し分なく、ゲームの雰囲気に会っていたのでこの評価にさせていただきました。また、エロシーンについては同じくlight作品であるタペストリーと同じような感じだったので賛否両論あるだろうと思いこの評価にさせていただきました。(lightの作品ではタペストリーしか知らないので許して・・・私は好きです)

考察


結論から言うと、生半可な気持ちでプレイするか悩んでいる方には、この作品に触れることをお勧めしない。私自身、プレイしたことを後悔しているし、できれば、今後はもうこの作品に触れたくはないと思っている。キャラゲーをプレイしていた方が、気楽で楽しいとさえ思えている。(キャラゲーをバカにしているわけではありません)それは何故か。この作品は、現代の人間社会の構造や人の感情などの理不尽さを真正面から、ぶつけてくるものだったからだ。実際は、そういったものを暗喩している作品であるのだが、強烈的過ぎて、真正面からぶつけられる錯覚に陥ってしまう。人と言うものは、皆、他人より自分を優先し、自分が不利な状況に陥ったら、他人を蹴落としてでも這い上がろうとする、そんな生き物だ。私自身もそうだし、これを読んでいるあなただって、同じことだろう。しかし、現実は、特に日本では、そういった負の感情を、表に出さないように生きている。だから私は、社会での一定的な均衡を保つことができていると思っている。この作品は、そんな現代社会を嘲笑っているかのような節が見られていた。人間の情愛、狂気、怨恨といった様々な感情が強烈に渦巻いているこの作品には、もはや、ハッピーエンドは存在しない。どうしようもない”理不尽”がプレイする者を襲うことになるだろう。

この世には、”社会”というものが存在する。それは、家族や学校、会社、はたまた国家までもその枠組みから出ることはできない。よって、人間というものは死ぬまで社会に縛られながら生きていく羽目になる。だからこそ、人はその枠組みから外れるのを極端に恐れ、人と違う行動を起こすのを躊躇うものなのだろう。当然だ、誰も、自分が依存している社会から突き放され、虐げられたくない。稀に、人と違った行動を起こす者が現れても、その殆どが、正義感など、何らかの錯覚によって、起こした行動だと思っている。しかし、その錯覚が時に希望へと変わるときもある。この作品は、主人公である、神代直が、現代の社会構造に反逆すべく躍動する。そんな物語である。

個別ルート


七海 やちる
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このルートは、人間不信になりそうなくらい、裏切りの連続でした。体を重ねた次の日に誘拐され、多勢のくさった大人たちにレイプされた時は、吐き気がしてしまって、これ以上進める勇気がなくなりそうになりました。”ある人”(ここでは、”ある人”という表現にさせていただきます)さえ裏切り者だと知ったときには、絶望しかありませんでした。しかし、このルートだけやちるが”五体満足”で終わりまで行けたことが何よりの救いだったのではないかと思います。

伊里谷 加護
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このルートでは、主に加護が持っているトラウマを軸に物語が進んでいきます。このルートは、ひたすらに悲しかったです。自ら抱えるトラウマに苛まれながらも、主人公たちに言えず、たったひとりで耐え続ける加護。それだけでも、悲しいですが、そのトラウマが原因でバロック(バロックが何なのか書いてしまうと物語の根幹がわかってしまうので一種の超能力だと思ってください)が暴走、その影響で何千もの人々を殺してしまいます。その暴走で、”ある人”(やちるルートの”ある人”とは他人です)まで手にかけてしまい、その報いが上の画像です・・・

古雅 幸
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このルートほど絶望という言葉が似あうものはないと思えるほどでした。これ以上あまり書くことはないのですが、この一言で済まそうとする自分が許せなくて、こうして綴っています。すべてを知ったときは、最初から絶望しかなかったと悟り、泣きました。この幸と言う名前に皮肉めいたものを感じ開発会社にも怒りがわきましたね

お気に入りのサブキャラ


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魅力的なサブキャラは、いっぱいいましたが、一番のお気に入りは、虎一(フーイー)です。小柄だけど、純粋な戦闘力は作中最強と言ってもいいほどの物。声優パワーかもしれませんが、抱きたくなりました。

希望的観測とまとめ


ここまで、憂鬱でいっぱいの記事になりましたが、それでも希望を挙げるとすれば、各ルートで主人公とヒロインがしっかりと納得した形で終わりを迎えたことですかね。幸ルートはわかりませんが
作品自体を評価すると、何といってもテキストが圧巻です。このシナリオライターさんは、どれだけ人の感情と言うものがわかるのかと、驚愕しました。あまりにも的を射ているので、プレイ中は登場人物の感情の深くまで入り込んでしまいました。
エロゲー初心者には、怖くておすすめできませんが、ある程度なれた方には絶対にプレイしてほしい作品です。

最後になりますが、この作品は、現代社会におけるあらゆるものに問題提示をしています。

なんだか口ずさんでしまう曲ですね


公式サイトはこちら
http://www.light.gr.jp/light/products/baroque/index.html

体験版・サンプルムービーはこちら
http://www.dmm.co.jp/mono/pcgame/